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実録:外国人社員がいると、日本人社員はいろいろと「アンフェア」な事態に直面するものなのか?

私たちの会社では、正社員では日本人メンバーと外国人メンバーの人数割合がだいたい半分半分になっています。普段一緒に同じミッション、ビジョンに向かって働いていると、国籍・文化の違いが気になるということはめったにないと言っても過言ではありません。これは、通常の業務を、特に大きな問題なく「平常運転」している場合についてです。

しかし、一度「イレギュラーな状況」に直面したりすると、文化的な価値観の違いが露呈してくることがあります。そんな時、私たち日本人にとっては「当たり前」と思ったり、「常識」と感じていることを、外国籍メンバーから疑問を投げかけられ、自分たちがいかに固定概念にしばられているのか、ということに気付かされます。

外国人社員を採用したいと考えている企業の方が直面するかもしれない、日本人メンバーと外国人メンバーの間で生まれるかもしれない異文化における考え方の違いについて、私たちアクティブ・コネクターで本日直面した文化理解会議を実録します!

始まりは、外国籍社員の1週間のおやすみ

ことの始まりは、1人の外国籍の方が1週間ほどのおやすみをとることです。1週間のおやすみをとること自体は、弊社でもよくあることで、つい先日、代表の私(松本)も、シルバーウィークを利用して1週間お休みをもらったりしていました。

そんな中、今回1人の外国籍メンバーの方がお休みをすることで、その方が本来担当している業務については日本人チームが代わりにカバーしてほしい、というお願い(というよりは、もう「そうしてくれなかったら、成り立たないよ」という切実な宣言)がミーティングで出されました。その背景としては、その外国籍メンバーが休暇をとるのであれば、しっかりと休暇を取れるようにメールなどで迷惑をかけるべきではない。休むときはしっかりと休むべきだ。その方には迷惑をかけずに他のメンバーがサポートして助けよう、ということでした。そしてそのサポートとして、日本人メンバーであれば言語的な問題も特になくスムーズにそのままできるはずだから、日本人メンバーにカバーしてもらいたい、という内容でした。

ロジカルに外国籍メンバーのチームマネージャーがミーティングで話す中、特に反論をせずに静かに聞く日本人メンバーたち。あまりにも当たり前のようにその仕事は日本人メンバーがすべきだ、といわれる中で、少し納得がいかないかな、という表情をしているメンバーも見受けられました。

日本人社員と外国籍社員の休暇についての考え方の違いが露呈する

そのような提案を聞いている中で、私はある「アンフェアさ」が気になりました。今回おやすみになる外国籍メンバーの仕事(英語での業務)はバイリンガルである日本人メンバーがカバーすることはできます。しかし、一方で日本人メンバーのおやすみの時には、日本語は流暢ではない外国人メンバーがカバーすることはできません。

このような状況では、外国人メンバーがおやすみのときには、日本人メンバーがカバーできるからしっかりと休暇を満喫できるのに、日本人メンバーについては業務を外国人メンバーにカバーしてもらえない。そのため、日本人メンバーは引き続き休暇中もメールを頻繁にチェックしなければいけない、というアンバランスな状況になりはしないか。私はあえてみんなの考えを刺激してディスカッションを促すために、チームメンバーに投げかけました。

「外国人メンバーが休暇のときは日本人メンバーがカバーできるのに、日本人メンバーが休暇のときは、外国人メンバーはカバーできない。これはアンフェアではないか?みんなはどう思う?」

そのような私の問いに対して、いくつかのいくつか興味深い意見が日本人メンバーから出されました。

「休暇中でもメールをチェックすることは厭わない」

そう答えた日本人メンバーが数名いました。休みのときはきっかりと休み切りたいと感じている外国人メンバーとは異なる意見でした。自分の重要な業務だし、メールをチェックして少し仕事をすることくらい特に気にならない、という意見です。この意見を聞いて、アンフェア・フェアという議論以上に、この働き方・休み方についての、日本人社員と外国人社員の考え方の違いがあるということに気付かされました。

異文化が混じり合うことで求められる新たな行動

異文化が混じり合う環境にいると、色々なチャレンジに直面します。その一つとして、ある一つのことに対して、単一文化のときには必要がなかった行動が新たに求められる可能性が高いということです。これを、人によっては「業務的負担が増える」という言葉を使って表現するかもしれません。

今回については、休暇中はできるだけメールを見たくないという外国人メンバーと、休暇中でもある程度はメールを見て対応しても問題ないという日本人メンバーの二つのタイプがありました。(実際には日本人メンバー全員が同じ意見ではないのですが、今回は話をわかりやすくするためにこのように書かせてもらいます。)ここで、日本人メンバーについてはそれまでの日本人的働き方・休暇の取り方の中で問題がないため、状況を改善する提案を出しません。一方で、それまでの働き方・休暇の仕方に問題意識を持つ外国人メンバーは、状況を改善するために周りを巻き込み、新たな行動を求めます。その行動によって、本来であれば特に状況を変える必要性をそれまでは感じていなかった日本人メンバーまでが巻き込まれていきます。

今回の休暇の例以外に起こりうる状況としては、例えば特に食に対して制限がない人達の集まりの中に、ベジタリアンの人が入ってきたとします。みんなでチームランチを企画しようとなったときに、このベジタリアンの人がいることで、いなかったら考えなくても良かったかもしれないメニューへの考慮というのがチームに求められてきます。他にも子育てをしていないメンバーで構成されていたら夜の飲み会やチームの集まりを簡単に企画できていたところ、子育てをしている人が入ってくることでその人たちへの考慮が求められるとそれまで通りの夜の飲み会をやりづらくなるということもあります。

異文化が出会うことで生まれる新しい価値は世界を広げる

今まで慣れ親しんできたことをそのまま続けていくことは、気持ちの上でも、行動の上でも基本は負担がないかと思います。いわゆるこれが「コンフォートゾーン」にいる状況かと思います。異文化、異なる価値観の人達と一緒に働くということは、ときにそのコンフォートゾーンから抜け出ることを求められます。今回の私たちのケースでは、外国人メンバーの休暇のカバーを日本人メンバーが求められることで、それまで日本人社員が考えていた働き方・休み方について、疑問を投げかけられ、新たなそれまでのやり方を改めるように促されました。

コンフォートゾーンを超えることは、面倒だな、と感じることも多くあります。今回の弊社のケースでは、今回のケースだけを切り取ってみたら、日本人メンバーの業務が増えるという事態です。でも広い視点で見てみたときにはもっと大きなポジティブな変化があります。今後の日本人メンバーの誰かが休暇をとるときに、それまでは「休みでもちょっとはメールを確認して自分の担当の仕事くらいはちゃんとやってよ」と暗黙の了解のように、お互い思っていたことが崩れ、どうやって日本人メンバーの休暇を他のメンバーでカバーできるのか、ということを考えるべきだと気付かされたとも言えます。私たちは今回外国人メンバーに日本人メンバーが新たな働き方・休み方を教えてもらい、変革するチャンスをもらったと感じています。

異文化が混じり合うことは、決して楽ではないことは確かかと思います。コンフォートゾーンがなんどもチャレンジされます。しかし、だからこそ、様々な変革が生まれていき、それまでにはなかった価値観や働き方、生き方が生まれると私たちは感じています。皆様の会社では、最近どんなコンフォートゾーンを抜ける体験があったでしょうか?

 

 

松本麻美
松本麻美
CEO/Founder of Active Connector 女子学院高校2年次中退の後、経団連の奨学金を受けて英国United World Collegeに留学。McGill Universityにて開発学、政治学を学び、その後東京大学大学院教育学研究科/比較教育社会学専攻で修士課程修了。外資系金融機関で社会人としてのキャリアをスタートした後、NGOと日本政府のパキスタン開発援助案件に携わる。 2013年にアクティブ・コネクター株式会社を起業。現在、同社代表取締役として、「異人・変人と変革」に取り組む。

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