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企業インタビュー第8弾  エルピクセル株式会社

世界が舞台、ライフサイエンスの未来を担う研究者集団にボーダーなし。メンバーのグローバル化に挑む現場の覚悟と挑戦とは?

東京大学発ベンチャーとして3名の研究室メンバーから誕生し、今や国家プロジェクトをまでも担うライフサイエンス研究のスペシャリスト集団はチームや働き方に更なる多様性を求め邁進しています。事業そのものの発展のみならず「研究者」の環境や在り方を根本から問い直す革新的なライフサイエンスベンチャーが求めるグローバルなチーム作りはどのように進められているのでしょうか。メディカルビジネスの開発部隊を率いているショパン様にお話を伺いました。

 

なぜグローバル採用?

ー近年御社では日本語を話さない方外国籍の方の採用も活発に行われているようですが、これには何か狙いや特別なきっかけがあったのでしょうか

会社のミッションを達成するためには日本という枠で終わらないことは明らかでしたので、外国籍のメンバーを含めたグローバルなチーム作りが必須になるということは会社として認識していました。会社をグローバルで戦える組織にするために、社内の環境を整える前から外国人採用を推し進めることがスタートとして正しいのか、わからないところもありました。しかしとにかくやってみないことには判断もつかないので走りながら改善していこうという感じで始まりました。

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今回お話を伺った開発部隊を現場で率いるショパンさん

ーショパンさんご自身もベルギー出身ということで「外国籍の社員」ではありますが、今もとても流暢な日本語をお話しされていますよね。日本語が話せる、という条件があれば国籍を問わない採用は多くの企業にとってぐっと身近なものになると思うのですが、御社の場合は日本語を話せなくても構わないということで採用活動をされ、社内から不安や反発の声はなかったのでしょうか。

反発、というわけではないのですが、コアメンバーで最初に話し合いをしたときに、もし日本語を話せない人がメンバーに加わったら英語が得意ではないので自分はどう対応したら良いかわからないという正直な声もあがりました。ただ最終的には、これを機に苦手意識も超えて上達していければ良いのではないかという点で一致することができました。最初にお話しした、走りながら改善していけば良いのではないかという姿勢ともつながります。 

現在も社内の公用語が英語になったなどということはないのですが、ミーティングの最中や後に英語で通訳のフォローアップを入れることで成り立たせています。 

ー通訳やフォローアップなど以前は必要なかったサポートが必要になることで、グローバル採用を拡大することが負担、コストになるといった捉え方をすることはないのでしょうか

二度手間になってしまっている部分があるのは事実ですが、これは会社が変われていないから起きていることだと考えていて、最初からわかっていたことでもあります。外国人を採用してしまったから起きているデメリットという受け取り方をしていませんし、そもそも例えば会社に多様性の幅が広がったことで何がメリットとなりどこからがデメリットとなるのかは測りきれない部分はかなり大きいと思います。

 

「ダイバーシティ」への考え方

ー世界レベルで事業を進めていくべく、チームをよりグローバルに拡大されていこうとしている御社ですが、企業におけるダイバーシティ推進はどのような意味を持つものだとお考えですか

 ダイバーシティが持つ意味、実はとても複雑で簡単に一言で言えるものではないと思います。というのも、私たちのように技術で勝負をしている企業にとって、様々な意味でのダイバーシティを追求するのは難しい側面もあります。探しているスキルや経験にかなり特殊性が生まれてくるので、応募条件にそもそもかなりの制限が出てくることがあります。例えば積極的に女性を入れよう、外国人を入れよう、と思ってもそれによってかえって母数を狭めてしまっている可能性もありますし、特定の属性の人を優遇することが逆差別になりうることも考えられます。 

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海外出身のメンバーがいることで結果的に多様性が持ち込まれているということであって、外国人がいることが多様性の証明だとは思っていません。たとえ日本人しかいなくても個人をそれぞれ見ればすでに多様なはずです。多様性ということにおいては、日本人だから、外国人だからこうという分け方は特にしていないですね。シンプルに、世界で活躍する会社をつくるのならば採用も日本の外側にバックグラウンドを持つ人たちに目を向けようという、私たちにとってはごく自然な発想です。

ー会社が目指すものを達成するために戦略的な採用をしていくと自ずとグローバルな採用も必要になってくる、そんな選考の場においては個人が持つ強みや御社が求める経験以外に何か大切にされているものはありますか。 

最終的には弊社とのビジョンをどれだけ共有できているかがとても大切です。満たしていなければならない仕事上のスキルを求めることはもちろんですが、たとえそれを全てクリアしていたとしても一緒に働く仲間への思いやりがなかったり、世の中を良くしていきたいというパッションがなければメンバーとして迎えることはできません。私は以前別の職場でも面接を担当していたことがあったのですが、その際にはスキルチェックシートを持っていました。現在はリストの一番上にはビジョンがきています。

同じ方向を見ることができている相手とであれば、そのほか何か違う要素があってもそれは乗り越えられるものだと思います。例えば国際結婚も、互いに向かう先を共有し共通のプロジェクトを遂行していくのなら、ある程度の違いは目立たなくなるはずです。他に大切なことがたくさんありますからね。

 

マネジメントは1on1でのコミュニケーションが基礎に

ー言語面でフォローアップが必要になる部分がある一方で、ダイバーシティ意識としては日本人、外国人でわけた考えはしていないとのことですが、マネジメント面ではどうなのでしょうか。ショパンさんは今回入られたエクアドル人の方と同じチームで開発部隊を率いられているお立場ですが、意識していること、工夫していることはありますか。 

1on1での面談は必ず定期的に月に一度は行うようにしています。こちらが気をつけて観察をすることで気づくことももちろんありますが、本人から言われなければわからないこともあります。会社自体もまだ若いので社員と向き合いながら一緒に成長していく必要があります。同じ情報を共有できていないと不安になることもありますので、本人からの考えももちろん聞きますし、会社側の情報も透明性を持たせて伝えています。 

DSC_4582ー上司とは気兼ねなく英語でコミュニケーションを取れるということは、外国籍の社員の方にとっては安心できる要素の一つになっているのではないでしょうか。

そうだといいのですが、ただ私にとっても彼にとっても英語は外国語です。(笑)特に彼にとっては日本語よりはずっと楽なはずですが、私たち自身も結局は外国語を使って考えや気持ちを伝えていることに変わりはありません。社内の共通語を英語にすることが正解なのかまだ私たちにもわかりませんが、いずれにしても全員が自分の得意な言語で臨機応変に話し成り立つ環境になっていけばと思います。日本人メンバーが英語を学べる環境や制度を整える必要もあると思っています。

最後に、御社のご経験からグローバルな採用を成功に導くために必要だと思うことを教えていただけますか 

最終的にはその個人と会社が同じビジョンを共有できるかという点でのマッチングが非常に大事だと思います。弊社は選考過程で1dayインターンや課題を取り入れておりその人が限られた時間の中で残した成果ももちろん見ますが、一番注目しているのはその人が他のメンバーとどう接しているのかというところです。

また弊社の場合、新しいメンバーを迎え入れるとできていることではなく会社に何があるとより良くなるのかということが見えてきています。採用において確かに失敗はできないかもしれませんが、始めてみることで何がどれだけ必要とされているのかを確認することもできます。


 取材を終えて 〜アクティブ・コネクターより〜

新しく入社した人、日本語を話さない社員に対し、この会社ではたらくにあたって足りていない要素を探すのではなくその人が活躍するために会社が準備できていないものに気づくという視点を持たれていることが非常に印象的でした。社員からは、英語だけを使うランチ時間の提案が出たり、英語を実践の場で向上させる機会がこれまでなかったのでかえって良いチャンスになったとの声が聞かれるなど、前向きな姿勢で溢れているそうです。本気でメンバーのグローバル化に取り組む企業の姿勢からは、同時に事業を通し本気で社会をより良い場所にしていこうとする気概を強く感じました。

エルピクセル株式会社

 ライフサイエンス領域の画像解析技術に強みを持つ東大発ベンチャー企業です。人工知能やビッグデータといった最先端技術による医療画像データの解析を通した医療現場への貢献はもちろんのこと、研究そのものの加速をも後押しすることをビジョンに各専門領域のスペシャリストが集結しています。

ウェブサイト:https://lpixel.net/

 

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