ドローン開発の先駆的企業!
#グローバル #外国人エンジニア採用 #ダイバーシティ
「最先端のロボティクス技術を追求し、社会インフラに革命を」というビジョンを掲げ、ドローンの社会実装に向けて様々なイノベーションを起こしている株式会社ACSL!
国内だけでなく、海外からも大注目の企業です。
2013年の創業当初から外国籍メンバーが所属しており、現在は社員の25%が外国籍とのこと。
組織づくりやチーム運営では、一体どんな取り組みを行っているのでしょうか?!
ぜひ聞いてみたい〜ということで、今回は戦略推進室の 藤田 様にお話を伺いました。
(聞き手:アクティブ・コネクター代表 松本 / アクティブ・コネクターCHRO 長澤)
楽しい雰囲気の中インタビューさせていただきました!
1:採用面接で重視する「3つの条件」!
松永(アクティブ・コネクター):はじめに、御社の事業内容をご紹介いただけますか。
藤田さん(株式会社ACSL):弊社は主に産業用ドローンの製造と販売を行っております。中でも用途に特化したドローンの開発をテーマとしており、建築物の点検、下水道、風車のブレード、煙突内のクラック点検などのほか、最近ではドローンによるフードデリバリーの実証実験も行っています。
長澤(アクティブ・コネクター):御社は創業時から、外国籍エンジニアの採用やグローバルなチームづくりを行われていますが、どのような経緯があるのでしょうか。
藤田さん:弊社は2013年に、千葉大学の研究室から生まれた会社で、創業メンバーには留学生もいました。現在のCTOであるクリス ラービも、以前は東京大学工学部で航空宇宙領域の研究をしており、研究職からジョインしてくるメンバーも多くいます。開発チーム(R&D)トップやディレクター、チームリーダーにも外国籍の者がいますし、特に日本人・外国人といったことは気にしていません。国籍に関わりなく、その時求めているスキルを持っている方にメンバーになってもらっています。
長澤:素晴らしいですね!日本におけるエンジニア不足は深刻な問題ですので、いろいろな企業にも参考になると思います。では、御社が採用において大切にしていることは何でしょうか?
藤田さん:エンジニアに限らず、求めているスキルを持っているか、企業理念にフィットするマインドセットを持っているか、コミュニケーションスキルがあるか、その3点を重視して面接しています。
長澤:なるほど。そういった3つの条件を満たす候補者に対して、御社の魅力をお伝えするとしたらどんな点になりますか?
藤田さん:そうですね。外国籍の方には住まい探しのサポートをしています。また、開発チームは裁量労働制を採っており、「アウトプットを出してもらえればOK」という自由な就労スタイルなので、働きやすい環境だと思いますね。 点検用ドローン。こういったドローンがもう身近になってきますねー。
2: 日本語と英語によるコミュニケーションのコツ。
長澤:外国籍メンバーも多い御社では、日本語と英語のコミュニケーションはどのようにされていますか?
藤田さん:会話はケースバイケースで使い分けています。社内のドキュメントは日英両方で作成していますね。ミーティングでは効率も考えて、日本語で説明するときは英語で資料を作るなど、別々の言語にするパターンが多いです。今後、有効であれば専任の通訳を置くことも選択肢として考えているところです。
長澤:なるほど。言語の部分は一番ネックに感じられている企業様も多いですが、そういった施策は素晴らしいと思いますよ!御社では、語学レッスンなどは社内で受けられるのでしょうか?
藤田さん:社内では実施していませんが、レッスン受講や自己啓発には補助が出ます。日本語教室も英会話教室もどちらも対象になります。
長澤:全体会議やチームミーティングで、より良いチーム運営のために工夫されていることは何かありますか?
藤田さん:基礎的なことですが、定期的に開催してコミュニケーションを欠かさないようにしています。WEBミーティングが主体なので、そうした場ではリアクションを大きく取るようにしています(笑)。
最近は、実際にはまだ会っていない新しいメンバーも増えてきているので、Teamsのアイコン設定では顔写真を必須にしたりなど、ちょっとしたことですが行っています。 フライトトレーニングの様子。 ほのぼの感がありますが、いや皆さん真剣です!
3: 「ミッション・ビジョン・バリュー」再確認のためのキャンプとは?
松本(アクティブ・コネクター):最近キャンプをされたと伺ったのですが、それもマインドセットの一貫なのでしょうか?
藤田さん:そうです。キャンプといっても遊びではなく(笑)、ホテルの会場を使ってグループディスカッションをしています。テーマは「10年後のACSLの姿を考える」など、会社のミッション、ビジョン、バリューに関するものにしています。以前実施してみて面白かったことは、「ACSLを表す写真」を各チーム10枚ずつ選び、文章を添えて発表したことですね。
セッションのテーマは、大きく「社会」から「会社」そして「個人」へと向けていく感じです。例えば個人ですと、80枚くらいのカードの中から自分が大事にしていることを5つ選び、メンバー同士で予想し合うことで相互理解を深めることに繋がります。他人から見た自分や自分自身、または仲間をどう見るかといったことも行いました。
他にも、チームでアイデアを出し、折り紙で作った橋の長さを競う大会など「技術の会社っぽいセッション」も行いました(笑)。
松本:面白そう!そういう時はやはり、メカニカルデザインのチームが勝つのですか?
藤田さん:そうですね。混合チームにしているのですが、開発メンバーが多いチームが勝っていました(笑)。
長澤:すごく楽しそうですよね(笑)。これは全社員参加のキャンプなのですか?
藤田さん:コロナの状況もあったりするので、全員参加が絶対ではなく、オプションで日帰りやオンライン参加などの工夫もしました。また、キャンプの際は外部の通訳を呼んで、インカムで同時通訳をしました。
松永:キャンプ後の社員の皆さんの反応はいかがでしたか?
藤田さん:普段やらないグループディスカッションが新鮮で面白かったという一方、詰め込み過ぎて忙しかったという意見もありました。通訳を入れていても価値観の話になると英語で説明が難しくなったり、それは次回の課題だと思います。
良かった点は、オフィスが1階・2階で分かれているので、普段は顔を合わせない社員同士がキャンプを通じて交流でき、以前よりコミュニケーションが取りやすくなった点がありますね。
4: 大事なのは「言語」よりも「コミュニケーション力」!
松本:西洋では明確に意思表示をする一方、東洋では気持ちを推し量るのが美徳とされることもあるように、コミュニケーションにおける考え方の違いに悩まれる方も多いと思うのですが、過去にそういったトラブルはありましたか?
あるいは、予防のための方策などはあるのでしょうか?
藤田さん:実際、そういったことは国籍には関係なく起こることがあります!強く言い過ぎて相手を傷つけたり、それがもとで関係が悪くなることは、人がいれば起こり得るトラブルです。
この状況を踏まえて、これから人材育成をしていく上では、自分達で気づいて「コミュニケーションやストレスコントロールのスキルを上げてこう。」と各自が思って欲しいなと感じています。もちろん、国籍を問わずにです。そのための場を提供していきたいですね。
弊社には、会社が実現したい、社会に提供したい「価値」を定めた「セブンバリュー」というステートメントがあります。その中で「オーナーシップ」として、「個人の裁量最大化を目指して、やると決めたことは自分事としてやり切る」という条文があり、これを実現できるような人材を育てたいと考えています。
自分なりに目標を定めて成長していくような人材にチャンスを与える会社でありたいと、思っているところです。
長澤:今後、外国籍の人材採用を検討している企業へ、採用やチーム作りのアドバイスはありますでしょうか?多くの企業が「言語の壁」で躊躇してしまうことがあるのですが…。
藤田さん:問題は「言語の壁」ではないと思います。英語が苦手でも、翻訳ツールなどで十分意思疎通が図れますし、お互い気をつけていればそこまでクリティカルなミスは起こらないと思います。特にエンジニアだと専門用語で会話できるので大きな問題はないようです。
それより、面接ではコミュニケーションのベースのスキル、協調性を持って一緒に仕事ができるかを重視したほうが良いと思いますよ!
長澤:その場合、判断基準になるようなチャートなどを使用しているのですか?
藤田さん:それほど体系だったものはありませんが、チェックシートでミッションやバリューに共感しているか確認しています。
長澤:言語の問題よりも、コミュニケーション力が重要なんですね!最後に、日本の企業が外国籍の方を採用する上で参考になるような取り組みは、何かありますか?
藤田さん:弊社では、日本語が話せない外国籍メンバーも多いのですが、それでも外国籍の方を次々採用しています。開発チームだと半分くらいを占めるのですが、コミュニケーションは問題ないようです。
国籍に関係なくメンバーが増えてきましたので、まさに今、メンタル面も含めた新入社員のサポートや人材育成のプランニングを行っているところです。人が増えると、さまざまな考えやバックボーンも増えてきます。先ほどもマインドセットに触れましたが、会社としての方向性や、何を成し遂げたいのかといった価値観の共有、社内文化の醸成は、早めに着手して時間をかけて取り組んでいきたいテーマだと思っています。
松永:なるほど。今後は、国籍に関係なく人材育成といった部分での取り組みが重要となりそうですね。本日は楽しく、学びの多いお話ありがとうございました!
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~ インタビューを終えて ~
率直に「多くの日本企業の数歩先を行ってるなー!」と感じたインタビューでした。メンバーの採用に「国籍や言語の問題」は全く気にせず、土台となるコミュニケーション力などが大事と力説していた藤田さん。私も、全くその通りだと頷くばかりでした。企業の成長やイノベーションに必要なのは「その人間の根本的な部分が企業が求めるものとマッチしているか」なのだと改めて痛感しました!
(アクティブ・コネクター CSチーム 松永)