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企業インタビュー第6弾:株式会社DG TAKANO 高野雅彰氏

世界唯一、節水率95%をほこる蛇口を開発したデザイン集団DG  TAKANO。グローバルチームで切った新しいスタートと躍進

 
東大阪で生まれた町工場は今やシリコンバレーにオフィスを持ち、従業員の半分は外国人。一見相容れない要素を次々と取り込む株式会社DG TAKANOの社長高野さんは一体どのような思考で現在の会社の姿を作り上げたのでしょうか。同社東京オフィスにてお話を伺いました。高野さんとの対談形式でお送り致します
 

なぜ外国人採用?

—御社でははじめから外国籍の方の採用は意識的に行われてきたものだったのでしょうか。

高野さん:2014年に中途採用、2016年に初めて新卒採用を開始したのですが、そのときは内定者が全員日本人になるような予定でした。ですが、ご縁があってある方からインド人の候補者をご紹介頂き、それが外国人採用を始める大きなきっかけになりました。というのも、その方が超優秀なスーパーインド人だったんです。はっきり言ってこれまで出会った日本人とはエンジニアとしてのレベルが違い、一気に外国籍の方を積極的に採用していくことへの関心がわきました。

外国人採用では、個別の候補者のご紹介ではアクティブ・コネクターさん、そしてもう一社、イベント開催を通じて採用につなげる会社さんを利用していたのですが、色々な方にお会いしました。日本人の若者は、現在頑張ってもなかなか報われない社会の中で生きているように思います。一方いろいろな国からやってきた若者たちと会うと、力をつけたら将来は母国を良くするために働きたいとか、本気で夢を語る人がたくさんいました。

 

初めて”高度外国人材”に出会ったときはその専門性の高さと優秀さのレベルに驚愕したとお話の高野さん

 

—すでにいた日本人社員の方々からすると外国人社員を採用し始めるというのは大きな変化だと思います。どういった反応があったのでしょうか

高野さん:正直最初は、社長が何を考えているのかわからない、とうとうおかしくなったかくらいの反応でした。当時はカスタマイズ製品の開発や販売面などとにかく社内での課題がいろいろあったので、そんな中でなぜ外国人採用という新しいことを行うのかという反発が強かったです。

—反発が大きかった中で実際に採用に進まれたわけですが、反対されていた社員の方と外国人社員の方は馴染むことができたのでしょうか。

高野さん:こういった変化の中で実際には辞めていく人もいました。ただそれは、外国人採用という一つの変化に限って起きたことではありません。社内は常に改革をしていますので、どんどん環境は変わっていきます。結局そういった変化に伴い居心地が悪いと感じた人はやめるという選択肢をとったのだと思います。

そして今残っているメンバーや様々な経験を経て獲得したメンバーは、専門や考え方で個人の違いはあれ、一点共通しているのがみんな何か夢を持って働いているということです。そして私がそれを応援したいと思っているということです。私は採用の際にも話しているのですが、夢を持っている人、成し遂げたいことがある人には活躍のステージを用意したい、支援したいと思っています。

 

社員の半分は海外出身、まさに国境を超えています

 

初期で経験した苦い採用の数々

—現在は国籍などという枠はとうに超えて、夢を持って入社するという共通項があるのですね。そうなると採用でも重視されるのは、「働くことで何を成し遂げたいのか」になるのでしょうか。

高野さん:そうですね。ただ先ほどお話ししたような共通項を持っているメンバーが揃ったのはごく最近のことです。ようやく今、私が会社でやりたいと思っていたことをこのメンバーでならやっていけるな、という状況になりました。ここまでには採用で多くの困難に直面しました。会社としてしんどかった時期のことを考えると、その時期には良いメンバーで働けていませんでした。

求人を出しても応募が全くこないというところから始まり、応募が来たと思ったら酔った状態で面接に来る人、スウェット姿で現れる人、今考えるとありえないような面接がかなりありました(笑)。面接で話を聞いても、いかに楽をして働けるかということしか考えていないんです。それでも最初はとにかく人がいないと始まらないということで、面接に来たから合格みたいな形で採用をしていました。

どれだけさぼってもまかり通るような会社でしたので、私が東京に出張しているときは大阪の社員が出社していない、反対に大阪に戻っているときは東京の社員が出社していない、というとんでもない事態に警備員さんに指摘されて初めて気がつくということもありました。

今の会社からは想像できない過去の苦い経験もお話頂きました

 

—それはすごいご経験ですね・・・。そういった状況から何がきっかけで今の妥協しない採用に変わっていったのでしょうか。

高野さん:「社長として自分の時間をどう使うべきか」改めて考え直したときに、まずこの状況を変えなければと思いました。採用のことで言うと、当時は入社時点でのクオリティは求めずに育てるのか、それとも入れ替えて生まれ変わらせるのかの二択がありました。私は入れ替える方を選びました。すでに出来上がっている製品を持つ会社にぶら下がっていようという意識のある社員は、そもそも育成もできないんです。

ただ一方で、夢を持っている社員のサポートなら喜んでしたい、そう思いました。今は採用には一切妥協をしません。スキルはもちろん重要ですが、成し遂げたいことがある人なのか、夢を応援したいと思えるか、そういった精神的な面でのマッチングを大切にしていった結果、今は社員に対して感じるストレスが全くありません。社長が社員に対してストレスゼロというのは、そう簡単にあることではないと思います。

 

多様なメンバーだからこそ生まれる “デザイン力”

—まさに高野社長がされているように、会社がミッションとして掲げるものと従業員が突きつめたい情熱が同じ方向を向いていると社員の満足度や幸福度が高いということがわかってきています。個人の情熱やビジョンへの共感を大切に行った採用で入社した社員のみなさんに対して、現在意識して取り組まれていることは何かありますか。

高野さん:自分でモチベーション管理ができ、自ら学ぶことのできる一流社員が集まっていますが、そういったメンバーに対して、「なぜDG Takanoが急成長してこられたのか」、「なぜどん底から這い上がってこられたのか」を伝えています。この「なぜ」に対して最も大切だったのはコアがあったことだという話を最近よくしています。町工場発ベンチャーとなればこのコアは技術のことかと思われるかもしれませんが、私たちのコアは技術ではなく頭の使い方、発想力です。だからこそ私はこの会社を“デザイン会社”と捉えているのですが、この点を社員に伝えることは私にとってとても大切なことです。

 

「技術をデザインする」ための意識が感じられる言葉の数々が社内の壁の至るところに貼ってありました

 

会社において最も付加価値の高いことは、その会社にしかできないオンリーワンがあることだと思っています。日本が世界の中でも高い技術力を持つことは事実ですが、技術自慢になってしまっていてそれで何ができるのかという部分が弱いことは否めません。

 

DG TAKANOは技術で言えば金属を削るということですが、それ自体に何か価値が生まれているわけではなく、金属を削る高い技術を使ってそれが節水製品になり、水不足などの社会課題を解決できるということに意味があります。技術をデザインできるかどうか、デザイン力で世の中にないものを作れるかどうかが問われています。

 

そしてチームが多様であることの強みはこのデザイン力と直接的に関わって来ます。日本人のメンバーしかいない話し合いの中で出てくるのは主に日本の社会課題、つまり自分たちが見える範囲のことに限られています。ところがメンバーが多様な国籍で構成されているほど、解決したい社会課題は何だろうかと考えたときに初めから視点は世界の問題になります。ここに専門知識が伴えばもう一気に解決へ向かっていくことができます。私はゼロ→イチの発想の方法をどんどん社員に伝え、全員にデザイナーであってほしいというつもりでやっています。そしてこの発想は、多様な人間がいればいるほど豊かになるものだと信じています。         0歳インターンシップで弊社代表松本の赤ちゃんも一緒に訪問させて頂きました。みなさま、ありがとうございました!

 


取材を終え 〜アクティブ・コネクターより〜

社員の夢の実現を会社が応援。個人の情熱と会社のビジョンが一致するとこんなにも素敵な「はたらく」が実現するのだということを思い知らされました。そして採用に成功している企業の共通点の一つが、やはりスキル以上のモチベーションや向かいたい方向の一致なのだということに改めて気づかされました。世界を市場とした水問題の未来を担う製品の裏には、成し遂げる気持ちと多様性に溢れ、とことん考え抜くプロデザイナーの存在がありました。

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