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グローバルチームづくりの大前提!目に見えない社内の“常識”は言語で可視化

外国人採用をうまく取り入れ、グローバルチームとして順調に歩んでいるベンチャー企業の共通点はずばり、社内の慣習や共通認識を持ちたい事柄の言語化がとにかく進んでいるということです。

一方、率先性や察する能力は、日本の多くの職場において「良い社員」指標の一つになっていないでしょうか。気づいた人がゴミを片付けられる、暗黙の了解で休暇を取るべきでない時期がある、など言われなくてもやること・やらないことでその人の常識レベルが計られているような場面は日常生活を含め少なくないように思います。

しかし、外国人社員が在籍するグローバルチームにおいて、そのような尺度で人の評価・判断をすることは、会社にとっての損失となる可能性があります。全てを言語化せずとも、コンテクストを読み解くことで相手の意図を汲み取るようなコミュニケーションが存在する日本社会とそうでない多くの他国はそもそもの文化的、社会的背景が異なり、察せること=良いとは限らないからです。「したこと・しないこと」その行動が必ずしもその人となりを表しているわけではないのです。

チームの外国人社員が”常識外れ”な長期休暇を申請し、「いやいや、それは普通しないでしょ」と思った経験はありませんか?こんなとき、察せないダメな社員と解釈してしまう前に、物事の言語化(ルール化・価値観の可視化)を検討して頂きたいのです。

今回は異文化ストレスを取り除くのに有効な、あらゆることの言語化についてお話します。

 

目次

① バリュー(企業価値観)の言語化 ー企業としてのコア、行動指針を正しく捉える
② 社内の暗黙の了解を言語化 ー日々の何気ない場面から誤解を取り去る
③ 期待値の言語化 ー正当な評価の下地をつくる

 

 

① バリュー(企業価値観)の言語化 
ー企業としてのコア、行動指針を正しく捉えるー

バリューは企業のミッション達成に向けた行動指針と捉えることができ、会社として奨励する考え方や行動を表すことがでます。ここが言語化できていると、大事な決断や選択に対し照らし合わせて考えることが可能になるだけでなく、採用では新メンバーに求める姿勢や要素を社内でぐっと共有しやすくなります。

逆に、ここに言語化されていない要素で社員をジャッジし、人としての良し悪しを語るようなことはアンフェアであるという認識を生み出すこともできます。あくまで企業としてのミッション達成が目的で、あらゆることに対する価値観を共有できる仲間探しではないはずです。

ただ同時に、バリューの言語化については、下記の2項目と比べても抽象度としては高くなる傾向があるので、例えば休暇の申請の仕方など、各ルールのあり方と直接的に照らし合わせることは難しいかもしれません。

しかし、ここでもう一度、バリュー言語化の意味は価値観を行動に落とし込み具体化することだけでなく、むしろそれ以外は自由に違っていて良いという解放のための線引きの役割も持つことを強調してお伝えします。

<弊社のバリュー活用例>
「生きることははたらくこと、はたらくことは生きること」というバリューが、社内にベビールームを設置するかを検討したときに参照された。各メンバー個人が子ども好きかという点は問うておらず(=どちらでも良い)、母、女性、父であること、そういう状況が人のはたらき方・生き方の選択肢を狭めてしまわないための変化を尊重できるか、をポイントに据えた。生きることとはたらくことは表裏一体であるというバリューを共通して持つからこそ、決断できた一つの例と言える。

 

② 社内の暗黙の了解を言語化
ー日々の何気ない場面から誤解を取り去るー

まだ人数が少ないうちにはルール化、言語化しなくとも済んでいたことを、徐々に言語化して誰にでもわかる状態にし、個人の”常識の範囲内”に頼らないことも大切です。暗黙の了解として、電話対応や雑務は新入(年少)社員やパートタイムの人が対応を期待されるなど、見えない役割分担が存在していないでしょうか。

外国人社員からすると、「言葉で伝えられていない限り自分の仕事という認識はしない」ことこそ”常識”で、気の利かない社員という判定を受けることは極めて不本意です。もしこれまで、個人の”一般常識”の意識に頼って引き継がれてきた仕事があったとしたら、改めて本当の適任、適した方法は何かを考え直すきっかけになるかもしれません。この作業をすることで、実は多くの人が心の中では理不尽だと思っていたことが明らかになるなど、外国人日本人問わず不満の解消につながることもあります。

冒頭の例に戻ると、もしも休暇の運用において社員に期待していることがあるのであれば、それは言語化してルールとして伝えない限り、伝えなかったマネジメント側の問題、というくらいの割り切りが求めらるかもしれません。

<実際にあったケース>
ある企業で、いつもお世話になってる取引先との共同イベントに、新卒で採用した外国人社員を担当に抜擢。普段からよく連絡・相談ができている社員で、準備は万全であった。しかしイベント当日、集合時間ぴったりに最寄り駅につく電車に乗って来たため、結果的に取引先を待たせてしまうことに。上司は遅くとも10分前に現地いることは「常識」と思い本人にはそのことを伝えていなかった。後に集合時間と実際にくる時間は違うのだということを明確にしなかったことを後悔したそう。実際のところ、時間感覚の違いが「外国人」であることに起因するとは一概に言えず、個人によるところは多くある。しかし、5分前行動が基本という「常識」は世界共通でないことを思うと、業務に関わる時間感覚は予め共通認識を持たせることがベター。

 

③ 期待値の言語化
ー正当な評価の下地をつくるー

マネージャーと社員の間での誤解や不要なストレスを避けるためには、互いの期待値を言語化し合うことが有効です。

ある企業では1on1面談の際に、マネージャー側は社員に「期待していること」を、社員の側はマネージャーから「期待されていると理解していること」をそれぞれが書き出し、認識のズレをあえて可視化するという取り組みを行なっていました。5つ出し合うなど、複数出すことでどんな点にズレが出るのかより認識しやすくなるそうです。

日本の企業では、「100%の出来は落第点、120%こそが本当の合格」のように、最初から伝えられた以上の仕事をすることが期待されるような場面があります。ここを察せる人とそうでない人で「できる社員」「できない社員」に分けてしまう感覚ではグローバルチームは作れません。言語化されていない期待に気づくことそのものが姿勢・率先性の項目で評価されるのだ、という考えは理解を得られないと考えた方が良いでしょう。

言葉と共に常にロジカルであること、役割とゴールを明確にすることを徹底しないと、「実はこれも評価対象だったのですよ」という後出しジャンケンのような説明は、アンフェアな評価になってしまいます。

言葉ではっきりと伝えていない限り、伝わっただろう、知っているだろうという期待をしない。そういった意識を根底に持っていると、スムーズなコミュニケーションや関係性の構築が可能になります。

 

まとめ

言わなくてもわかってほしいことが存在するのも、否定できない正直な感情かもしれません。しかし、グローバルに活躍できるチームほど言語化は徹底して行なっているのが現状です。母語のみならず、個人の意識のあり方に大きく影響を与える文化背景や、それぞれの「常識」が違う中、共通して理解される状況をつくることは必須です。はじめは少々面倒に感じてしまうかもしれませんが、一度もつれてしまったものを修復するより、予め言葉で示すことで不要なストレス、誤解を極力減らす方が最終的には効率的で、その後の外国人採用もぐっと進めやすくなります。そして何より、こうした仕事の進め方はグローバルタレントのみならず多くの人がよりフェアな条件のもとはたらくことができる下地となるはずです。

 

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山田慶季
山田慶季
アカウントマネージャー 金融業界の前職で、経営者との対話を通して企業が本当に向き合っている課題は「人」であることに気がつく。外国人求職者が本来の自分で輝く仕事さがしを可能にすることと、ベンチャー企業が欲するイノベーション創出に欠かせない存在こそ外国人エンジニアであることに共感し、アカウントマネージャーとしてアクティブ・コネクターに参画。

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