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スタートアップと相性が良い起業家素質がある外国人留学生

先日、日本政府が外国人留学生で起業をしたい方々へのビザ発行を検討するというニュースがありました。優秀な外国人留学生に日本に引き留めると同時に、外国人留学生が起業をすることで新しいイノベーションを日本からおこしていってもらいたい、という思いが背景にあるそうです。

日本政府がこのように、外国人留学生の持っている「起業家素質」に注目していますが、イノベーションを積極的におこしているスタートアップこそ、こういった外国人留学生の採用に注目すべきです。
6000人の外国人留学生のネットワークを持ち、のべ20社を超える企業への外国人留学生による新規事業立案のワークショップ開催経験があるアクティブ・コネクターが見てきた、外国人留学生がスタートアップと相性が良い理由を3つお伝えします。

外国人留学生はベンチャースピリットに溢れている

外国人留学生とスタートアップは、ベンチャースピリットを共有しているという点で、潜在的に相性が良い存在です。

海を越えてはるばる日本にやってくる外国人留学生にとって、日本とは覚悟がなければやってこれない「異国」。
外国人留学生の自分の生まれ育ってきた文化・環境とは全く異なり、家族もいない。友人も(母国ほどは)いない、全て自分で切り開いていかなければいけない場所です。
特に言語も、日本語という独特の言語でほぼ全てのことが成り立っている環境は、チャレンジングなことこの上ないです。

また、ジャパン・アズ・ナンバーワンの時代が終わって久しく、今や日本は経済、社会的にも他国から色々なチャレンジを抱えていると見られている「大変な国」です。
マレーシアのマハティール首相が、先日日本の高校生に、「日本人よ誇りを持て」というスピーチをしたというのが噂になりましたが(リンク)、この背景には、海外から見て、日本は誇りを失っている、言葉を選ばずに言えば日本は「哀れな国」に見えているということがあります。実際に、マハティール首相のスピーチの中には、「日本を再びいい国にするために」という言葉があります。ここからも、日本が今多くの海外の人から見て「いい国」である、ということを盲目的にいうことはできなくなっているともいえるでしょう。

こういった異国でありチャレンジングな日本に飛び込んできてくれる、外国人留学生は、スタートアップの方々が持っているベンチャースピリットを共有しています。これが、スタートアップと外国人留学生は相性が良いといえる一つのポイントです。

日本人の「常識」を共有していない

外国人留学生は、日本人が当たり前、常識と思っていることに疑問を投げかけて、新たな視点をもたらしてくれるポテンシャルを秘めています。

アインシュタインの名言で、「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションのことを言う。」という言葉があります。
私たち日本人にとって、「当たり前」「常識」と思うことは、単純に私たちが日本社会で長く暮らす上で得てきた一つの考え方の傾向です。

日本以外の国で生まれ育ってきた外国人留学生は、私たち日本人が持っている「常識」を、良い意味で共有していません。もちろん、彼らの文化の中でも日本の文化と共有している部分があれば、一部共通した常識、考え方の傾向がある場合もあります。
それでも、日本人と全く同じような常識感覚、外国人留学生を持ち合わせていません。それが故に、彼らは色々なことに疑問・意見をもち、改善提案をしてくれたり、新たなアイディアを提供してくれます。
こういった新しい視点や意見こそが、スタートアップのイノベーションを起こし続けていったり、働く環境を改善していく際の力となっていく可能性があります。

外国籍の社員が半数近いアクティブ・コネクターでも、外国籍社員からの提案で色々な気づきがありました。例えば、弊社の日本人社員同士が、「新しく会社に日本人が入ってきたら、その人がしばらくは敬語を使うのは当たり前だよねー」という話をしていました。
その話を聞いた外国人社員が、「なぜフラットなチーム関係を目指しているのに、敬語を使うことを期待しているのか?」という疑問を、日本人社員に投げかけました。
日本人にとって、敬語が関係性の潤滑油になっている、と信じていることも、見方を変えれば、敬語ということ形式がメンバー間の上下関係を規定している、フラットではない、と見えるということに気づかされました。そもそも、敬語という形だけが重要なのか、敬語に何を私たちは求めているのか、ということを考えさせられました。

高度なスキルをもった人がブルーオーシャン

日本にいる外国人留学生の約20%は大学院に所属しています(リンク)。大学院に所属しているということは、専門性、スキルがある一定レベル以上ある方々ということになります。
このような大学院に所属している高度なスキルがある外国人留学生は、通常の「就活マーケット」で、大企業に採用されにくい存在で、スタートアップにとって「ブルーオーシャン」な人材とも言えます。

なぜ外国人留学生の採用は、ブルーオーシャンなのでしょうか。
大学院にいる外国人留学生は、研究が忙しく、なかなか日本語を勉強する時間がありません。また今は日本の大学のグローバル化戦略により、授業を英語で提供するところが大半です。
そのような中で、多くの外国人留学生は日本の大企業が就活で求めるようなレベルの日本語力(N1やN2と言われるレベル)は、持ち合わせていません。
そのため、高度なスキルがある大学院レベルの外国人留学生が日本の大企業に就職しようとしても、なかなかうまくいきません。外国人留学生の大学院レベルの方は、「採用マーケット」において、「まだ手付かず」という意味において、ブルーオーシャンです。

革新的なサービス・テクノロジーを提供していくスタートアップにとって、高度なスキルをもったエンジニアや、ビジネス開発ができる即戦力人材の採用を成功させることが、会社の成長につながります。そこで、まさに高度なスキルがある外国人留学生が狙い目になります。

実際に、急成長をしているスタートアップは、外国人留学生の採用を戦略的に行なっています。大企業が提示するほどの給与は保証できない、大企業のようにネームバリューがない、そんな中で、スタートアップ企業が高度なスキルをもったエンジニアの採用で大企業と戦っていくことは必ずしも簡単ではありません。
しかし、大企業では採用しにくい人たちをあえて戦略的に狙っていくことは、スタートアップにとって、サステナブルに高度なスキル、豊富な経験をもった人を採用していくための良い戦略です。

♢♢
外国人採用は、日本人が採用できないから仕方なく妥協して採用する、という、第二オプションではない時代になってきました。
特にイノベーションを推進していき、急成長をしていくスタートアップこそ、実は外国人留学生と相性がいいと言えます。

#異人・変人と変革を

 

松本麻美
松本麻美
CEO/Founder of Active Connector 女子学院高校2年次中退の後、経団連の奨学金を受けて英国United World Collegeに留学。McGill Universityにて開発学、政治学を学び、その後東京大学大学院教育学研究科/比較教育社会学専攻で修士課程修了。外資系金融機関で社会人としてのキャリアをスタートした後、NGOと日本政府のパキスタン開発援助案件に携わる。 2013年にアクティブ・コネクター株式会社を起業。現在、同社代表取締役として、「異人・変人と変革」に取り組む。

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