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【対談】異文化マネジメントの専門家が切り込む!メルカリのダイバーシティーのあるチームづくりの強さの秘密(後編)

#ダイバーシティー #インクルージョン #異文化理解

多くの企業から先進的なダイバーシティー&インクルージョン(D&I)の取り組みを行い注目されているメルカリ。今回は異文化マネジメントやダイバーシティマネジメントをを専門とする小山教授と、メルカリD&Iコミュニティのメンバーの一人である大角佳代さんが対談をしました。

2回にわたる対談記事の、後編をお届けします!

*対談記事の前編はこちらです。


小山:様々な創意工夫をされながら、取り組まれているんですね。マジョリティー側の関心を引き出して行動を起こすことの難しさや課題感について、大角さんのご意見をもう少しお伺いできますか?

大角:このテーマに関して、私は「D&Iに思いが強いマイノリティ」対「D&Iに関心がないマジョリティ」のような対立構造で物事をとらえていません。メルカリにはもともと「誰かを意図的に排除したい」という思いがある人は一人もいないと思います。意識的にD&Iについて考えているのか、に個人差があるだけのことだと思うんですよね。

ただ、これだけたくさんの国籍や価値観の人達が働いているので、こういった知識をお互いに持っている方が、安心して心地よく働けると思うんですよね。

一人一人にとってD&Iの考え方や参加の仕方というのは様々なので、そこでまたリパッケージングの重要性があります。

例えば「グローバル化」というテーマを取り扱った時、それだけだとイメージしにくい場合が多いと思うのですが「日系企業以外の人たちはどんな風に働いているのか見てみよう」というテーマでイベントを行なうと、もっと自分ごととして捉えやすいメンバーが現れるかもしれません。みんなそれぞれ「関心ポイント」というのは少しずつ違うんですよね。最終的にはこういう知識や情報をシェアすることが「D&Iの理解を深める」ことに繋がりますよね。

小山:何か具体例を教えていただけますか?

大角:例えば「女性は男性と比べて自信が持ちにくい」というテーマについて話し合いたいと思ったとき、それだけを伝えてもイメージしにくいのですが「自分たちの素晴らしい点を褒めあってみる会」というイベントを運営した場合、そこでのワークショップを通じ、多くの女性は「確かに自分のことをアピールすることが少し苦手かも。。。」と体感できるかもしれません。(参照記事:https://mercan.mercari.com/articles/18516/) 実はそういった日常に、D&Iの知っておくべき知識や隠れていたりします。

そういうD&Iのコンセプトを伝える裏テーマも、イベントの中でシェアするようにしたりします。直接的なメッセージだけをアピールするのではなく、具体的な事例やワークショップを通して、少しずつ自分ごととしての理解を促していくイメージです。

小山:告知のときは多くの社員が興味を持ちそうな内容を前面に出すのだけれども、実際に参加したらD&Iについての気づきを得られる、というアプローチですね。

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大角:そうですね。さまざまな切り口を提示し、D&Iという考え方を身近に感じてもらうことと、いかに敷居を低くするか、をすごく意識していますね。

小山:とても興味深いです。組織開発をボトムアップで取り組んでいるという印象を受けます。

大角:私はD&Iは教育活動のようなものだと思っているので、いきなりイベントに人が参加したから、翌日何かが一気に変わることはないでしょう。ですが、企画するイベントに少しずつ参加人数が増えていけばきっと何か変化は起きるはずだと思います。例えばあるD&Iイベントを面白いと思ってもらえれば、次のD&Iのイベントにもまた継続してきてくれるようになったり。

小山:D&Iでは一人一人の価値観が重要になりますよね。仕組みや戦略をいくら整えても、結局一人一人がD&Iの価値観を持たなければ、日々の言動は変わりませんよね。メルカリさんのボトムアップ・アプローチのD&Iはとても効果的だと感じています。

 

 

信頼関係があるからこそ多様性をイノベーションにつなげられる

小山:今度は、日本語スピーカーと英語スピーカーとのコミュニケーションについて伺わせてください。メルカリさんは「やさしい日本語」という取り組みをされていらっしゃいますが、コミュニケーションにおいてどのような課題があるのでしょうか。

 

大角:D&IのMulticulturalという観点からいうと、言語の壁はあると思います。日本語が母国語のマジョリティと、日本語以外の言語を母語とし英語がメインの言語の英語スピーカーが集った時には、英語を共通言語とすることになります。すると、日本人の方が英語が苦手な人が多いため、日本語スピーカー側の方が英語スピーカーに距離を感じてしまいがちかなと。相手に自分の思いをうまく伝えられないもどかしさもありますし、不得意な英語になるとコミュニケーションの絶対量が足りなくなってしまいがちです。

 

小山:そのことについて、組織として取り組んでいることはありますか。

 

大角:組織として、というよりは、私個人は出来るだけ英語スピーカーと常に細かいコミュニケーションをするようにしています。マイノリティになりやすい人達というのは、その団体において30%以上の比率を占めないと、自分の意見を主張しにくいという研究結果があります(

参照記事:https://www.hbs.edu/faculty/Pages/item.aspx?num=108070) 。そういう状況にならないよういに、なるべく一人一人の意見にきちんと耳を傾けているということを意識しています。

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小山:色々と日々の活動でも、外国籍の方と日本人の間のコミュニケーションにおいて積極的な架け橋になられている大角さんですが、今後はどういうことに力を入れていきたいですか。

 

大角:仕事に対する考え方、例えばマネジメントスタイルや評価などについてそれぞれの文化の違いや隔たりはまだまだぬぐいきれていないと私は感じています。

この解決は非常に難しいと思っており、一つの回答というのはないと思います。もちろん社内制度や人事制度は今メルカリの中でもいろいろな話し合いが行われています。メルカリは日本の商習慣や法律に基づいた人事制度で成り立っているので、いわゆる欧米やアジア諸国の制度とは違う点も多数存在しているかもしれません。そういう難しさに対しては、関わる人たちが「何を大事にしているか」というメッセージを発信していくことが重要だと思います。相手に対して「あなたのことを気にかけている」「あなたのことを理解したい」というメッセージを常に発していったり、常日頃から相手とのコミュニケーションを取るということはとても大切だと思います。

 

小山:私もそれはすごく重要なことだと思います。海外出身社員が日本企業の仕事の進め方や働き方に違和感・不満を持つことはよくあると思います。もちろんその中には、海外出身社員の勘違いという場合もありますが、実は組織として解決すべき本質的な課題があることも多々あります

そういう違和感や不満を海外出身社員が「伝えたい」と思ってくれるのか、同時に、そのような声があがったときに日本人社員や経営陣が聞く耳を持つことができるのか。これにはお互いの信頼がとても大切なことだと思いますね。

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大角信頼関係が築けていれば、そこから色々な課題に気づくということは本当にあります。

 

小山:大角さんのような問題意識があってD&Iに現場で取り組める人材が日本企業にもっと増えてほしいと心から思っています。組織内にそういう人材が多くいれば、もっと多くの日本企業が多様性を活かしてイノベーションを起こしていくことができると私は考えています。

メルカリさんでは大角さんのような問題意識を持って取り組んでいる社員は多いのでしょうか。

 

大角:皆、英語のやりとりや文化的理解の違いで大変だなーと思うことがあっても、会社の様々なサポートを得ながらチームとして頑張っていると思います。

ただ前半でも話したとおり、何かやったからすぐ変わる、ということでもないので、皆言語の勉強やイベントへの参加など通じて、少しずつ理解を深めていっていると思います。

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会社では部活動制度があり、メンバーを5人以上集めて部活動を企画した場合、その費用は会社がサポートしてくれます。こういう仕事以外の活動を通じ、社員同士のコミュニケーションを深めていくことができます。そういった機会を提供してくれているのはとてもいいことです。

 

関係構築や相手への理解がないままだと、国籍や肩書で見てしまう場合があると思いますが、コミュニケーションを深くしていくことで、カテゴリーでの判断ではなく、一人一人と向き合うことができるようになります。

 

小山:そうですよね。多様性というと、ついつい「外国人」「女性」「障がい者」といったラベルで一括りにしがちです。しかし、結局ラベルで考えてはいけないと私も思います。そのラベルの奥にある、一人一人の個性を見ていくことで、たくさんの可能性や新たな関係が広がっていくと思います。でも、D&Iの活動をそこまで発展させていくためには、一筋縄ではいかないですよね。

 

大角:実際は、とても大変なこともあると思います。しかし私は多様性を認め、そして本気でグローバルを目指そうとするこの会社の姿勢が好きで入社したので、そういった大変さも含め、この活動に全面的に賛同しています。

 

小山: D&Iの本質は「気づき」「学び」だと、私も思っています。異なる価値観というのは、最初に直面したときは受け入れ難いですが、相手と粘り強くコミュニケーションを重ねていくことで、相互理解と相互学習が進み、その結果として相手を受け入れることができ、自分の価値観が広がります。そして、職場でそうしたD&Iの気づきと学びがあれば、業務において必ず新しいアイディアが生まれてくるはずです。その際のキーパーソンは、大角さんのような視点を持ってD&Iを現場で実践する人であると、本日のお話を伺って感じました。貴重なお話をしていただき、どうもありがとうございました。

 

 


取材を実施したアクティブ・コネクター CEO 松本のコメント

私たちが色々なベンチャー企業の方と外国籍社員の採用についてのお話をしていくと、かなりの確率でメルカリさんのお話が出ます。多くの方々は、一体メルカリの中で何が起きているのだろう、と気になっているようです。同時に、企業の方の中には「メルカリさんが積極的に外国籍社員の採用を進めているのに刺激を受けて(自信をもらって)自分たちも外国籍社員の採用を決めました!」とおっしゃる方もたまにいます。

今回D&Iをメルカリ社内で推進される大角さんのお話を伺い、グローバル化というのを推進していくためには、単純に外国籍社員の数を増やしていけば成り立つということではなく、まずその組織に所属する一人一人のマインドセットが非常に重要な役割を持つということに気づかされました。

。このマインドセットの難しさとしては、大角さんのお話にあったようにそ決して上からの押し付けで何か変えられるものではないという点かと思います。一人一人の個性を受け入れていく、楽しんでいくという価値観は、社員間のお互いの関わりの中で生まれる有機的な変化であったり、じっくりと時間をかけながら徐々に実現されていくもののようです。

外国籍社員の採用をするだけで満足してはいけない、トップだけではなく社員一人一人が皆んなでD&Iへの思いを共有できる組織を目指して努力していく、という日々の活動こそが大切だと、今回の取材を通じて改めて確信しました!大角さん、小山さん、本当に貴重なお話をどうもありがとうございます!

 

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松本麻美
松本麻美
"Go Beyond Diversity" 外国人ハイスキルエンジニアとベンチャー企業をつなげることで、一人一人が情熱を思い切り追求できる世界を創ることを目指すアクティブ・コネクターを2013年5月に創業。17歳で単身渡英。ウェールズの寄宿舎での2年間の生活、カナダでの大学生活を経て、就活やインターンに明け暮れる大学院生活を送ったのち外資金融に入社。311を機に退職をし、パキスタンに渡る。その後情熱に突き動かされるままに起業。https://jp.active-connector.com/

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