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働き方改革で、私たちの会社が失敗したことから言える3つのこと

外国人エンジニアを採用するということは、御社での働き方を改革していくことにつながります。それまでの日本人だけの職場で当たり前だったことも、外国人にも受け入れられるような形、「グローバルスタンダード」な働き方に変えていくということがある程度求められるためです。
少し前までは、寝袋を社内に持ち込んでがむしゃらに働くことこそベンチャー、働きすぎなんてない、というのがベンチャーという風潮がありました。
しかし人手不足、売り手市場になっていて、かつエンジニア不足の中で外国人エンジニアを採用していく中で、多くのベンチャー企業の皆様も本腰を入れていろいろな働き方改革に取り組まれるのではないかと思います。
働き方改革と一言でいうのは簡単ですが、実際には働き方改革を推進する現場では、特にその現場を指揮する(経営する)立場としてはいろいろな苦労を伴うことかと思います。

「出る杭が最高に輝く新しいはたらき方」を作っていく、ロールモデルになるべく、私たちアクティブ・コネクターでは日々様々な「働き方改革」の実験を行っています。
今までにいろいろと取り組んではいろいろと失敗を繰り返してきました。
そんな失敗をする中で、私たちがいろいろと働き方改革を推進する中で、学んだことがあります。今回はアクティブ・コネクターの経営をしている、代表の松本の立場から、経営者として働き方改革を進めていく上での苦労から学んだ3つのことについてお伝えします。

働き方改革の結果をすぐに求めない

私が新しい働き方の仕組み・システムを取り入れるときに、失敗したことがあります。それは、経営者として、働き方改革の取り組みのマイナス面にばかりとらわれて、結果をすぐに求めてしまったという点です。

その例として、在宅勤務を取り入れるという実験を社内で実施したときのことです。
以前から在宅勤務をしたいというリクエストがあった中、経営をする立場からは色々な懸念がありました。Yahooでは、在宅勤務を取り入れた後に在宅勤務のデメリットが目立ち、撤廃したという話があったり、こういった在宅勤務制度を一度取り入れると、今度はそれがうまくいかなかった時に、再度撤回するコストの方が大きいと考えていたためです。

それでも在宅勤務を取り入れるメリットがありそうだということで、チームのマネージャーとも相談を重ねて熟考した結果、まずは在宅勤務を取り入れる「トライアル」を実施しようということになりました。しかし実施し始めて、数回で、トライアル中に在宅勤務をしている人の勤務状況に問題があったり、遠隔でのミーティング参加に支障があったり・・・と、導入前に心配していたことがまさに露呈してくるという事実に直面しました。

そんな在宅勤務のデメリットが目立つ中で、この在宅勤務のトライアルをやめようかという話をチームメンバーにしたところ、多くの不満の声が寄せられました。
「トライアルを実施するのであれば、数回のミスやうまくいかないコストは仕方ない。」「実験すると決めたからには、数週間ではなく、数ヶ月とか、しっかりと結果が出るまでコミットをした上で、総合的な判断をしてほしい」という要望です。

正直なところ、経営者の立場としては、トライアルといえど日々のビジネスに影響が出る働き方改革のデメリットに我慢をしていくコストはどのくらいあるのだろう、と、フラストレ−ションや不安がたまっていくことは事実としてありました。しかし、こういう時でも、確かにチームメンバーが言う通り、こういったコストを覚悟の上で、まずはやると決めた働き方改革は、しっかりとある程度の時間をもって実施しなければいけないということを学んでいます。そうしなければ、最終的なメリット・デメリットが総合的に判断できないだけでなく、チームメンバーの不満にもつながっていきます。
何か働き方改革を行うのであれば、デメリットは当然。コストも当然と考えて、それにとにかく耐えていく、結果が出るまである程度の期間耐える覚悟が必要かと思います。

働き方改革の対価としてのパフォーマンスを露骨に求めない

経営者の立場としては、働き方改革を推進していく背景には、様々な思惑があるかと思います。その中の一つとしては、働き方改革というのが、しっかりと社員のパフォーマンスの向上につながることを期待することはもちろんあるかと思います。

経営者としての立場としては、働き方改革というのは、目的ではなくあくまで他の何かビジネスで大切な何かを達成するための「手段」です。

しかし、働き方改革を推進する上で、何かの新しい取り組みを試す際に、その取り組みの成果が、個人個人のパフォーマンスに現れているのか、ということを露骨に示していくのは、マイナスな影響が出てしまうようです。

弊社で、フレックスタイム制を取り入れた際に、私が行ったミスがあります。フレックスタイム制を導入する際に、「このフレックスタイム制を入れてもKPIの成果が上がらなかったり、KPIがむしろ下がるということになったら、速攻このフレックスタイム制をやめる」と宣言をしたことです。
このようなことの宣言をすることによって、他の社員からの不満の声があがりました。社員の立場からすると、「働き方改革という名の人参をつるさげられて、走らされる馬になった気分」とのことです。

働き方改革がうまくパフォーマンス向上につながるためには、その改革により社員の満足度が上がることが必須です。しかし、伝え方を間違えると社員の不満ばかりが溜まることにつながってしまいます。

矛盾したような話ですが、働き方改革で社員のパフォーマンス向上を目指すのであればあえて、そのパフォーマンス向上を目指しているという事実を伝えない、もしくは伝え方に細心の注意を払うということが大事になるようです。

働き方改革を行う背景を伝える&展望を伝える

働き方改革のシステムを導入するにあたり、それが「思いつき」に見えたり「自己中心的」なアイディアに見られたら、それは社員の不満につながってしまうことになります。
そのため働き方改革を取り入れる上では、しっかりとその働き方改革がどういった背景でどういう熟考の末に実施されるものなのか、また今後はどうなっていくという考えがあるのか、といことをしっかりと言語化したり、可能であれば文書化するのが必要だった、と後悔していることがあります。

私自身は、昨年11月に出産をし、今年の1月から生後1ヶ月ちょっとの子供をオフィスに連れて、子連れで働くということをしています。「赤ちゃんがいる職場」ということを実験しているところです。

この子連れで働くということが一体どういう考えのもと行われているのか、これが他の社員にも適用されることなのか、ただ代表だから許されていることなのか、と思っている社員も中にはもちろんいます。

私としては、今後のいろいろな会社としてのチャイルドケアサービスの計画も視野に入れた、自らが「実験台」になって色々とやっているという意識ではありますが、しっかりとそのような背景や今後の展望も踏まえて社員に伝えていかなければ、働き方改革の取り組みに見られることも、ただの一人の人への特別配慮の一過的なもの、とみられてしまうリスクがあります。

このような子連れ出勤以外にも、いろいろな働き方改革の仕組みを取り入れる時には、
・それがただの思いつきではないこと
・どんな背景から実施を決めたのか
・今後その取り組みをどのようにしていきたいという思い・計画があるのか
というのは、働き方改革を推進していくリーダーとしては、しっかりと言語化して社員に浸透させる必要があるかと感じています。これ抜きにすると、「感情や流行にばかり左右される経営」という判断を社員から受けて、逆に不満や不信感につながり、働き方改革も逆効果になります。

♢♢
働き方改革という言葉やコンセプト自体は、今の日本で流行していて、社会の風潮や社員の期待からも御社も働き方改革を進めるということが期待されていると感じるかと思います。
言うは易し、現場で特にその改革を指揮していく立場としては、色々な痛みや苦労が伴います。その苦労を乗り越えて初めて、その改革の価値・意味が出てくるのかと思います。

上述の私たちの会社での失敗や学びが少しでも、御社の今後に役立つことを願っております。

#異人・変人と変革を

 

松本麻美
松本麻美
CEO/Founder of Active Connector 女子学院高校2年次中退の後、経団連の奨学金を受けて英国United World Collegeに留学。McGill Universityにて開発学、政治学を学び、その後東京大学大学院教育学研究科/比較教育社会学専攻で修士課程修了。外資系金融機関で社会人としてのキャリアをスタートした後、NGOと日本政府のパキスタン開発援助案件に携わる。 2013年にアクティブ・コネクター株式会社を起業。現在、同社代表取締役として、「異人・変人と変革」に取り組む。

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